本校における3つの教育方針
東京工業高等専門学校(準学士課程)における3つの教育方針
(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)
ディプロマ・ポリシー(卒業の認定に関する方針)
本校では、以下に示す能力を身につけ、学則で定める修業年限以上在籍し、所定の単位を修得した学生に対して卒業を認定します。
(1)技術と地球環境保全との関係を理解し、危機管理・安全確保に関する倫理観と的確な行動規範
(2)日本語及び英語によるコミュニケーション能力と国際的に活躍しうる素養
(3)基礎学力の上に、実践力、創造力、研究開発能力
(4)生涯にわたる自己啓発能力や健康管理能力及び社会の変化に的確に対応できる柔軟性
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)
本校では、「ディプロマ・ポリシー」に定めた四つの能力を学修するため、次のような編成方針、実施方針および成績評価基準に基づいて教育を実施します。
編成方針
「ディプロマ・ポリシー」に定めた四つの能力を学修するため、一般科目と専門科目を配置し、以下のように5年一貫の体系的な教育課程を編成します。
(1)技術と地球環境保全との関係を理解し、危機管理・安全確保に関する倫理観と的確な行動規範を学修するため、人文・社会科学や地学・生物学の一般科目、各分野のこれに関わる専門科目などの学修を体系的に編成します。
(2)日本語及び英語によるコミュニケーション能力と国際的に活躍しうる素養を育成するため、グループワーク、発表及び討論を取り入れた国語、外国語、社会、さらには保健体育に関わる一般科目を主とした学修を総合的に編成します。
(3)基礎学力の上に、実践力、創造力、研究開発能力を学修するため、自然科学系の一般科目、核となる専門分野ならびに融合・複合分野の専門科目などと、ものづくりマインドを養う実験・実習・演習科目および卒業研究とを組み合わせた学修を体系的に編成します。
(4)主体的に学び、生涯にわたる自己啓発能力や健康管理能力及び社会の変化に的確に対応できる柔軟性を育成するため、人文・社会科学や保健体育の一般科目、プロジェクト学習型の専門科目などの学修を体系的に編成します。
実施方針
「ディプロマ・ポリシー」に定めた四つの能力を学修するため、1年次より体験重視により専門分野の基礎を身につけるようにするとともに、学年に応じて幅広い教養と総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するように、体系的な教育課程を学修できるようにします。
(1)「ディプロマ・ポリシー」に定めた能力が、教育課程の中でどのように養成されるか把握できるよう、科目毎にシラバスによって、各科目との対応と、それらを修得する方法を学生が理解しやすいように説明します。また、これらを可視化したカリキュラムマップによって、学生の理解が深まるようにします。
(2) 個々の学生の活発な主体的学習を促進するため、授業時間のみならず、予習・復習等、授業時間外の様々な機会を通じ、諸課題に積極的に挑戦できるようにします。さらに応用編として、高学年では、社会実装プロジェクト系科目※1に取り組み、主体的に動き、対話・思考・試行・試作・実装して問題解決する一連を学びます。
(3) 成績評価は、公正かつ透明性確保のため、各科目に掲げられた授業の到達目標に対する達成度を目安として採点し、評価の客観性を担保するため、複次的・複層的な積み上げによる成績評価を行います。
※1 社会実装プロジェクト系の専門科目は、学生が社会の現実の問題と向き合いながら、
-
- 非専門家であるユーザーの生の声を工学的な表現や具体的な技術に変換する高度なコミュニケーション能力
- ユーザーの複雑な要求に基づきながら制作物の改良に取り組む主体性と創造性
を学修する科目です。イノベーション創出には、自らの工学的専門知識を活用し、「何を創りだすか」を考え、実際に社会で行動できる能力を持つ技術者が必要と考えられます。
成績評価基準
「ディプロマ・ポリシー」に定めた四つの能力の学修のため、体系的に一般科目ならびに専門科目が配置されています。科目の特性に応じて、試験、レポート及び成果物等により、科目毎の到達目標の達成度を客観的に評価し、その積み重ねにより「ディプロマ・ポリシー」に定めた各能力の修得度を総合的に評価します。本校では、次のような成績評価基準を定めています。本校では、次のような成績評価基準を定めています。
(1) 学期末における成績評価は、シラバスに示す評価方法に基づいて実施します。
(2) 学期の中間時点における成績評価もシラバスに示す評価方法に準じて実施します。
(3) 最終的な科目の成績は100点法により採点し、評価は以下のS・A・B・C・Dの5段階とし、成績評語は評価に応じて次のとおりとします。ただし、卒業研究については「合」又は「否」を、インターンシップについては、「修了」又は「未修」を判定します。
S(優) 特に優れている。 (100~95 点)
A(優) 優れている。 ( 94~80 点)
B(良) 普通である。 ( 79~70 点)
C(可) やや劣る。 ( 69~60 点)
D(不可) 劣る。 ( 59~ 0 点)
アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)
本校では、ものづくり、基礎学力、技術者としての倫理観、コミュニケーション能力、グループ活動を大切に考えることを基本としたエンジニアを育てることを目標に、次のような入学者を求めます。
(1)理数系科目が好きであり、それらの科目の成績が優秀である。
(2)科学や技術の分野で新しいことを学びたいという学習意欲がある。
(3)英語でのコミュニケーション能力習得に熱意がある。
(4)ものづくりに興味があり、新しいものを作りたいと考えている。
(5)仲間とともにグループで作業ができる。
(6)自覚的な行動ができる。
(7)規則正しい生活と、毎日の自発的学習ができる。
入学者選抜の基本方針
(1)推薦による入学者選抜
出身中学校長から推薦された志願者のうち、一定水準以上の数学・理科の学力を身につけ、かつ自発的・継続的な学習能力を有する本校への入学意志が強い志願者を受け入れる。
(2)学力による入学者選抜
準学士課程における学習に必要な基礎学力をもつ志願者を数学の学力を重視した学力検査により選抜する。
(3)編入学者の選抜
編入学を志望する学科(学年)の学習に必要な学力、意欲及び適性のある志願者を学力検査及び面接により選抜する。
東京工業高等専門学校(専攻科課程)における3つの教育方針
(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)
※令和4年度以降の入学者
ディプロマ・ポリシー(修了の認定に関する方針)
本専攻科は、工学およびその融合領域において、学生が自ら考え行動する力と科学技術を社会に実装する力を育む教育研究活動を通して、環境保全への高い意識と社会的倫理観を持ち、異文化を理解する力とコミュニケーション力を兼ね備え、総合的視野に立って実社会に役立つ価値を創出できるグローバル技術者の育成を目指しています。
本専攻科では、以下に示す能力を身につけ、学則で定める修業年限以上在学し、所定の単位を修得した学生に対して修了を認定します。
(1) 持続可能な社会の実現に向けて、技術者に求められる倫理観と行動規範を理解し、生涯にわたって自己啓発・管理できる能力
(2) 持続可能な社会の実現に向けて、科学技術が環境に与える影響を常に意識し、自ら修得した専門知識および技術を複合・融合的に応用して社会に実装する能力
(3) 基礎的な知識および実験スキルに加えて、創造力、企画力に富み、PDCAサイクルをまわして研究開発を推進できる能力
(4) 異なる文化や社会を理解する柔軟性を持ち、言語の異なる他者とも協力して問題解決に邁進できる能力
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成および実施に関する方針)
本専攻科では、ディプロマ・ポリシーに定めた能力を育成するために、専攻科1年の後期にPBL等の主体的活動を行うための科目を配置し、社会実装活動、長期インターンシップ(共同研究型、海外研修型)、ならびに創造的な研究活動の3つの活動を学生が自ら組み合わせて、自身に最適化した活動を行うことにより主体的に考え協調的に行動する能力を高められるようにします。また、この活動の前に学ぶべき科目を専攻科1年の前期に配置し、活動後に学ぶ方がより効果的な科目を専攻科2年に配置して、環境保全への高い意識と社会的倫理観を持ち、異文化を理解する力とコミュニケーション力を兼ね備え、総合的視野に立って実社会に役立つ価値を創出できるグローバル技術者の育成を行います。具体的には、次のような編成方針、実施方針および成績評価基準に基づいて教育を実施します。
編成方針
専攻科1年後期のPBL等の主体的活動および特別研究を重視し、本科の科目と連携した科目や、リベラルアーツ科目を効果的に配置した教育課程を編成します。
(1) 持続可能な社会の実現に向けて、技術者に求められる倫理観と行動規範を理解し、生涯にわたって自己啓発・管理できる能力を涵養するための科目として、専攻科1年の前期に、持続可能な社会の実現に向けての目標を学ぶ科目を配置し、持続可能な社会において技術者の求められる倫理観や行動規範を学生自らが考える科目を専攻科2年の後期に配置します。
(2) 持続可能な社会の実現に向けて、科学技術が環境に与える影響を常に意識し、修得した専門知識および技術を自ら複合・融合的に応用して社会に実装する能力を涵養するために、専攻科1年の後期にPBL等の主体的活動を行うための科目を配置し、この期間の活動をした後に、持続可能な社会の実現に向けて技術者としてどのように取り組むべきかを地球環境的な側面から考える科目を専攻科2年の前期に配置します。
(3) 基礎的な知識および実験スキルに加えて、創造力、企画力を身につけ、PDCAサイクルをまわして研究開発を推進できる能力を涵養するために、理科系の専門共通科目や各専攻の専門科目に加えて、東京工業大学大学院教員によるオムニバス形式の「先端理工学研究特論Ⅰ・Ⅱ」を専攻科1年の前期に配置し、最先端の研究の解説、研究のデザインの手法、研究における試行錯誤、ブレイクスルー、研究をする上での心構えや考え方、研究者になるまでのキャリアデザイン等を学べるようにします。また、専攻科1年後期の主体的活動の経験を専攻科2年の特別研究で活かせるようにするとともに、経営や起業について考えることにより総合的な創造力や企画力を涵養することを目的とした科目を専攻科2年の後期に配置します。
(4) 異なる文化や社会を理解する柔軟性を持ち、言語の異なる他者とも協力して問題解決に邁進できる能力を涵養するために、文化の異なる海外での活動経験を持つ教員が担当する科目と、実践的英語科目を専攻科1年の前期に配置し、専攻科1年の後期における海外での活動にも対応できるようにします。
実施方針
(1) 個々の学生に最適な学びを提供するために、専攻科1年の後期をPBL等の主体的活動の期間とします。この期間には集中講義科目である「インテンシブキャリアデザイン」と、実験科目である「イノベーティブリサーチプロジェクト」を配置し、学生は、まず「インテンシブキャリアデザイン」の前半で、社会実装、国内外における長期インターンシップ(共同研究型、海外研修型)、創造的な研究、という3つの活動の組み合わせ方について、提示された取り組みモデルを参考にして学び、専攻横断的に配置されたメンター教員グループの支援を受けながら、自身の個性や関心に応じて「イノベーティブリサーチプロジェクト」の実施計画書を作成します。次にこの実施計画書に従って活動を行い、「インテンシブキャリアデザイン」の後半で実施される発表会で幅広く講評を受け、活動の振り返りを行います。
(2) ディプロマ・ポリシーに定めた能力が、教育課程の中でどのように養成されるかを具体的に示すために、各科目のシラバスにディプロマ・ポリシーのどの項目が当該科目で達成されるのかを明記し、それらを修得する方法についても学生が理解しやすいように記述します。また、持続可能な社会の実現に向けて活動する能力が教育課程の中でどのように養成されるかを具体的に示すために、各科目のシラバスにSDGsの17の目標のうちどの目標が当該科目で達成されるのかを明記し、それらを修得する方法についても学生が理解しやすいように記述します。
(3) 成績評価は、公正かつ透明性を確保するため、各科目のシラバスに掲げられた授業の到達目標に対する達成度にしたがって採点し、評価の客観性を担保するため、科目の特性に応じて、試験、レポート、成果物、およびプレゼンテーション等により成績評価を行います。
成績評価基準
本校では、次のような成績評価基準を定めています。科目の特性に応じて、試験、レポート及び成果物等により、それぞれ身につけるべき能力の修得度を客観的に評価します。
成績はシラバスに示す評価方法に基づき100点法により採点し、評価は以下の優・良・可・不可の4段階とし、成績評価は次のとおりとします。ただし、特別研究Ⅰ・Ⅱおよび特別実習については「合」又は「否」を判定します。
優 優れた成績 (100~80点)
良 良好な成績 ( 79~70点)
可 合格と認められる成績 ( 69~60点)
不可 合格と認められない成績 ( 59~ 0点)
アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)
本専攻科では、学習・教育目標の国際化・複合化に対応できる技術者を育成することを目標に、次のような入学者を求めます。
(1)工学の基礎を修得し、実践力、創造力、研究開発力の素養を有している人
(2)さまざまな課題に主体的に取り組む意欲のある人
(3)自己表現や他者理解などを積極的に図ることができる人
入学者選抜の基本方針
(1)推薦による選抜
出身高等専門学校長から推薦された志願者のうち、一定水準以上の基礎学力を身につけ、かつ主体的・継続的な学習意欲とコミュニケーション能力を有し、本専攻科への入学意志が強い志願者を選抜する。
(2)学力による選抜
一定水準以上の基礎学力を身につけ、かつ主体的・継続的な学習意欲とコミュニケーション能力を有する志願者を選抜する。
(3)社会人特別入試
企業などにおいて一定以上の在職期間を有し、一定水準以上の基礎学力を身につけ、かつ主体的・継続的な学習意欲とコミュニケーション能力を有し、本専攻科への入学意志が強い志願者を選抜する。