高専Q&A
高専Q&A
高等専門学校(高専)ってどんな学校?
高等学校(高校)と何が違うの?
規則は厳しい?
授業内容は?
入試は?
みなさんのそんな「ハテナ?」にお答えします。
Q&A
力をあわせて「ものづくり」。「見て」、「触れて」、「確かめる」カリキュラム。
Q1.「高専」は高校とはどう違うのですか?
A.
高等専門学校(以下、高専と記します)は、中学校を卒業した人が入学する5年制の学校で、全国に51校(国立のみ。その他に公立高専、私立高専があります。)設置されており、大学と同じ「高等教育機関」に位置づけされています。
5年間の一貫教育により、効果的に一般教育と専門教育を行っています。
専門教育は、実験・実習・実技を重視した実践的な技術教育を行い、これらについては施設の充実、学生人数に対する指導教員の多さ等、きめ細かな教育指導を通して、豊かな教養と専門の工学を身につけた実践的技術者の育成にあたっています。
また、「工業」と付くと一般教育(数学、英語、国語等)については優しいというイメージがあるかもしれませんが、高専ではそのようなことはなく、一般教育についても各教科専門の教員がしっかりと指導します。
部活動等については、3年生までは高校の大会に参加することが出来ます。
その他に、全国高専体育大会、ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト等、高専ならではの大会やコンテストも充実しています。
Q2.「東京高専」はどのような学校ですか?
A.
東京高専は、東京都八王子市にあり、京王高尾線「狭間駅」から徒歩5分の好立地にあります。
本科生約1,000名、専攻科生約50名が在籍しており、在校生の出身地は、東京都、神奈川県、埼玉県、山梨県、千葉県、東京都島嶼といった関東近隣地区の他、北海道から沖縄県まで幅広く、また、アジア諸国等からの留学生もおり、現在敷地内にある学生寮には、約180名(定員204名)が在寮しています。
各専門科目を学ぶために必要となる実験・実習室は学科ごとに複数設置されており、共通電算室(PC室)2室、専門書が充実している図書館、普通高校では見ることが出来ない特殊機械が揃っているものづくりセンター(実習工場)、200名以上収容可能な大講義室等々、施設も充実しています。もちろん、野球場とサッカーコートが収まる広いグラウンド、2つの体育館、武道場、合宿研修所、トレーニングセンター、シャワー室、学生食堂、売店等々、学校生活を充実させるための施設も揃っています。
東京高専には機械工学科、電気工学科、電子工学科、情報工学科、物質工学科が設置されており、卒業後、更に2年間学ぶことができる専攻科(※1)も設置されています。
卒業時の進路については、近年は就職と進学がおおよそ半々くらいです。就職希望者への求人倍率は20~30倍と高く、進学は多くの学生が大学の3年次又は2年次に編入学(※2)しています。
なお、大学への編入学試験は各大学が独自に行うものなので、センター入試を受験する必要はありません。
※1 専攻科へ進学するためには、専攻科の入学試験に合格する必要があります。
※2 大学への編入学制度(編入学年等)は、各大学が設定するものなので、大学により異なります。
Q3.どのような学生が東京高専に向いていますか?
A.
以下のような方が向いています。
- 数学や理科が好き
- ものづくりに興味がある
- グループで作業が出来る
- 地道に努力することが出来る
- 生活時間の管理が出来る
Q4.「授業時間」はどうなっていますか?
A.
授業時間は1コマ45分ですが、1つの科目を2コマ連続で行うことが多く、ほとんどの科目が1科目90分で時間割編成されています。
- 1・2時限 08:50~10:20
- 3・4時限 10:30~12:00
- 昼休み 12:00~12:50
- 5・6時限 12:50~14:20
- 7・8時限 14:30~16:00
なお、1年生は毎朝8:40からホームルームがあります。
Q5.どんな「授業科目」がありますか?
A.
国語、英語、社会、数学などの一般科目は主に低学年で学びます。
専門の科目は低学年からはじまり、高学年になるにつれ増えていきます。また、内容も徐々に高度なものになります。特に実験・実習を重視し、理論と実践を兼ね備えた技術者教育を行っています。
5年生になると専門教育の集大成として卒業研究を行います。数名の学生が研究室で教員の指導のもとに研究し、卒業論文にまとめます。
このように、5年間を通して一般科目と専門科目がバランスよく組み合わされています。
高専のカリキュラム構成の大きな特徴として、講義中心の受動型の形態から、「見て」、「触れて」、「確かめる」といった内容のカリキュラムを多く取り入れて構成しています。
また、4年次にはインターンシップという授業もあります。
インターンシップとは、学生が企業等において実際の職場で働く経験をすることをカリキュラムに組み入れ、授業として受け、単位を認定する制度です。
実践的かつ専門的な知識及び技術を修得できるよう授業内容は様々に工夫されています。
Q6.規則は厳しいですか?
A.
高専は大学と同じ「高等教育機関」と位置づけられていますので、学校生活はかなり自由な雰囲気です。入学後は「生徒」ではなく「学生」と呼ばれ、自主的に考え行動することが求められます。
しかし、自由には「責任と義務」がともないます。未成年者の飲酒・喫煙などは当然許されません。また、車やバイクの免許取得は禁止していませんが、通学を含めて在校生が学校に来るために車やバイクを使用することは禁止しています。
服装については、普段の学校生活は自由な服装でかまいません。しかし、髪型も含めて清潔で学生らしい身なりであることは高専の学生として基本であり、入学式・卒業式などの式典、工場見学などの場合は、本校学生としての品位を失わないように、その場にふさわしい服装の着用が必要となります。
アルバイトは原則禁止です。
Q7.「女子学生」の割合はどのくらいですか?
A.
女子学生の割合は学生全体の約15%です。学校全体で占める割合は多くはありませんが、物質工学科のように学科内の30%程度が女子となる学科もあります。
トイレや更衣室等、女子学生が学校生活を送るための設備はきちんと整っています。
Q8.「就職」と「進学」の割合はどのくらいですか?
A.
ここ数年の就職と進学の割合は、学年のおおよそ半々くらいです。就職希望者への求人倍率は20~30倍程度あり、ほとんどの学生は希望する企業や業種に就職しています。
分野は、電気機器、精密機器、自動車、化学、繊維、医療機器、情報通信、エネルギー、サービスなどで、皆さんがよく知っている有名企業から、専門技術が必要となる企業、地域密着型の中小企業と、幅広い企業に就職し、活躍しています。
進学は、毎年、国立大学を中心に多くの学生が編入学をしています。特に長岡と豊橋にある技術科学大学は、主として高専卒業生を受け入れるために作られた国立大学です。3年次に編入学し、更に大学院修士課程まで進むことができます。この両大学へは、毎年10名前後が編入学しています。その他、東京工業大学、東京農工大学、電気通信大学、千葉大学、首都大学東京等に編入学しています。
また、本校専攻科にも毎年20~30名が進学しています。
Q9.東京高専の「入学試験」にはどのような種類がありますか?
A.
「学力選抜」と「推薦選抜」の2種類があります。「学力選抜」とは、学力検査(理科、英語、数学、国語)及び中学校長から提出された調査書の総合判定に基づき選抜します。また、他高校との併願も可能となっています。
「推薦選抜」とは、予め定められた推薦基準に基づき中学校長から推薦された学生を対象に、中学校長から提出された推薦書、調査書、面接の総合判定に基づき選抜します。
なお、「推薦選抜」で合格内定に至らない場合は、そのまま「学力検査」を受けることができます。
推薦及び学力の選抜基準につきましては、本校ホームページ「入学者募集要項」に選抜基準を掲載しています。
Q10.「学力選抜」の試験問題は難しいですか?
A.
試験問題は、中学校の指導要領に基づいて作られており、基礎学力・思考力を重視したものです。中学校の学習内容をきちんと理解していれば十分に解けます。
なお、国立高専51校の入学試験は、全国一斉に行われ、試験問題も共通です。
Q11.過去の入学試験問題は手に入れられますか?
A.
「独立行政法人国立高等専門学校機構」のホームページの「入試情報」で、公開されています。独立行政法人国立高等専門学校機構(外部リンク)
Q12.入学金、授業料など「経費」はいくら程かかりますか?
A.
入学年度に必要となる経費は約42万円程度で、内訳は以下のとおりです。
- (平成31年度入学者実績)
- 入学料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84,600円
- 授業料(※)・・・・・・・・・・・・・・・・234,600円
- 学生会費等・・・・・・・・・・・・・・・・・9,000円
- 日本スポーツ振興センター掛金・・・・・・・・1,550円
- 後援会費等・・・・・・・・・・・・・・・・・32,000円
- 教科書・教材費・・・・・・・・・・・・・・・約45,000円
- 1年合宿研修費・・・・・・・・・・・・・・・・約4,000円
- ※授業料は、就学支援金制度の対象となった場合は、国から補助されます。
その他、入学後は2年生「冬季学校」や3年生「研修旅行」等行事の経費がかかります。
Q13.授業料などの免除や減額の扱いはありますか?
A.
学資を負担する保護者の経済的な事情や、保護者が申請前の一定期間内に亡くなったり風水害等の災害を受けて、入学料や授業料の納付が非常に困難な場合は、それらの支払いを免除したり、減額、あるいはその徴収を一定期間猶予する等の制度があります。ただし、入学金や授業料の免除等に関しては、申請する学生が一定以上の成績を修めていることが条件となります。
また、入学してから36ヶ月の間は「就学支援金制度」の対象となります。この制度の対象となるかについては、以下リンク先でご確認ください。
文部科学省HP内「高等学校等就学支援金制度の詳細」(外部リンク)
Q14.「奨学金制度」はありますか?
A.
人物・学業ともに優れ、経済的理由で修学が困難な学生の皆さんにつきましては、選考のうえで「独立行政法人日本学生支援機構」から奨学金が在学中に貸与されます。
意欲と能力のある学生に「教育を受ける機会」を保障する制度です。詳細は、以下リンク先でご確認ください。
独立行政法人 日本学生支援機構(外部リンク)
Q15.もっと東京高専のことを知りたいのですが?
A.
毎年「学校説明会」、「授業公開」、「施設見学会」、「入試問題解説会」を行っています。
また、秋には「くぬぎだ祭(文化祭)」もありますので、以下リンク先よりスケジュールをご確認のうえ、ご参加ください。
学校説明会