第8回夏休み子どもいちょう塾にて本校から2つの講座を行いました。

第8回夏休み子どもいちょう塾にて本校から中野助教、雑賀技術専門職員による「化学の力で水をきれいに」と伊藤篤子准教授による「スマホ顕微鏡、つくって観察!動物の発生」の講座を行いました。各講座で実施した内容は以下のとおりです。

 

◇「化学の力で水をきれいに」の講座について

大学コンソーシアム八王子が主催する「第8回夏休み子どもいちょう塾」にて、事前にエントリーしていた小学4~6年生を対象とした化学実験の体験講座を企画提供しました。約1時間のいくつかの簡単な操作を通して、あらかじめ準備した「廃液」をきれいにする実験を行いました。酸アルカリ溶液を扱う操作を含み、安全確保のため、参加した子供たちは、安全めがね、手袋、白衣を着用して実験操作を行いました。

溶け込んでいる重金属の沈殿生成とろ過除去、pHメーターを使った中和操作、そして活性炭を使った色素の吸着除去の3段階を通した一連の作業で一般的な流しに排水できる程度まできれいにする廃液処理作業を体験しました。試薬を添加してから数分かけて目の前でゆっくりと進む化学反応や、金属濃度の確認、中和反応、色素吸着などの化学的或いは物理的変化を色の変化で実感しながら水がきれいになっていく過程を楽しんでもらえました。

本イベントでの講座実施は、夏休みの自由研究ネタを提供しただけではなく、家族の夏休みの思い出作りへの貢献とともに、科学に対する興味や関心を深める機会を提供できたと考えます。今回の参加者の中から将来科学者を目指す子供が出てくることを期待します。

 

「化学の力で水をきれいに」の様子

 

◇「スマホ顕微鏡、つくって観察!動物の発生」の講座について

「スマホ顕微鏡、つくって観察!動物の発生」と題して講座を主催しました。一般家庭で容易に入手できる材料で「動物の発生」と「顕微鏡の作製」ができることを紹介し、やり方を実践しました。ねらいは、高度に専門的な事象の紹介、体験とは異なり、「身近」と「手軽」をキーワードにした科学に対する興味の裾野の拡大です。

本イベントは小学校4~6年生を対象にしていることから、児童の知識背景にばらつきがあります。4年生の夏の段階では顕微鏡を使用したこともなく、「細胞」の概念の学習もまだなされていない一方、5、6年生は顕微鏡の使用経験もあり、「メダカの誕生」によって「動物の発生」を観察してます。顕微鏡の使用によるミクロの世界は、はじめての4年生にとっては新鮮な驚きを、5、6年生には学校の授業の復習と、スマホが顕微鏡になることで自らの学習意欲を高める効果が見受けられました。簡単に受精の瞬間と減数分裂を観察できる「カキの初期発生」は、児童と付き添いの保護者双方にとっても初めての体験で、生命の神秘の実感と好評を得られました。

またTAとして本校の3年生と5年生の女子学生5名も参加し、自身の知識の再確認と、第三者にわかりやすく伝えることを身をもって体験できました。

 

「スマホ顕微鏡、つくって観察!動物の発生」の様子