平成31年度入学式を挙行しました。
平成31年4月5日(金)、本校第1体育館にて、本科、専攻科入学式を挙行いたしました。
この日、校長から入学許可宣言及び告辞があり、本科新入生209名、編入学生4名、専攻科新入生22名、計235名が、本校における新たな学生生活をスタートしました。
校長告辞
東京高専は本年度も入学式の日を迎えました。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんの努力の結果が今日の入学に結実しました。これまでの努力に対して敬意を表するとともに、様々な進路の中から東京高専を選んでいただきありがとうございます。教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎します。
保護者の皆様、お子様たちのご入学に当たり、心からの祝意を申し上げます。ご来賓の皆様、お忙しい中をおいでいただきありがとうございます。多くの皆さんと一同に会して入学を祝う場を持てることは校長としてたいへんうれしいことであり、改めて皆様に御礼申し上げます。
本年度は、本科に209名の新入生と留学生2名を含む4名の編入学生、そして専攻科に22名の新入生を迎えます。本校は1965年(昭和40年)に創設され、これまでに約7,600人の本科卒業生と約380名の専攻科修了生を送り出してきました。高専の卒業生は進路先の企業や大学の方々から高い評価をいただいており、高専教育にはこれまでに培ってきた社会的な信頼があります。皆さんの先輩が築いた実績には確固たるものがあり、皆さんは将来に向けてこれを引き継いでいく役割を担うことになります。
皆さんは本日、東京高専に入学しましたが、同時に全国約5万人の高専生の仲間入りをしたことを覚えておいてください。全国には国公私立合わせて57校の高専があり、毎年1万人を超える新入生が入学します。学生数5万人、新入生1万人という数は、決して少ない数ではありません。全国の高専生とは、ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、体育大会などで互いに競い合うライバルですが、それよりも同じ高専教育を学ぶ仲間という気持ちを大切にしたいと思います。東京高専の学生であるとともに、全国の高専生の一員であること、そして多くの仲間がいることを忘れずにいてください。
学校にはそれぞれの使命とこれを実現するための教育方針があります。本校の使命は、将来を担う技術者として必要な能力と資質を備えた人材を育成することにあります。皆さんが生きていく時代は、科学技術が急速に進化するとともに、社会のシステムが大きく変化する時代です。斬新なアイディアに基づく新技術が次々と開発され、既存の知識や常識を置き換えていくことでしょう。AIやロボットの技術革新によって、これまで人間にしかできないと思われていた仕事を機械に置き換えることが可能になる時代も間近であるという未来予測もあります。
しかし、どんなに科学技術が進化しようとも、その技術を開発し、運用し、改善していくのが「人」であることには変わりがないと思います。もっと便利に、もっと安全に、もっと快適に、もっと効率よくなど、様々な目標に向けて努力しているのは世界中の技術者や研究者なのです。これからの時代が求める技術者とは、専門分野の知識を持つとともに、状況の変化に応じて様々な課題に対処できる実行力と適応力を持つ人材です。高専の教育システムは未来が求める人材を育成するように構成されており、皆さんは授業や実験実習を通じて、未来の技術者に必要な能力と資質を身に着けることができるのです。
さて、本科新入生の皆さん。皆さんは今、東京高専で過ごす5年という時間を手にしています。10代後半の5年間は、長い人生の中でも特に大切な時間です。私は、皆さんがこの時間を将来の「なりたい自分」について考え、それに近づくための時間として活用してほしいと願っています。皆さんの「なりたい自分」は何ですか? どの分野を専門とするのか? どんな仕事に就きたいか? 卒業後も勉学を続けたいか? 活躍の場所はどこか? そしてどんな人になりたいか? など、将来の「なりたい自分」を想像してください。そして「なりたい自分」になるためには今何をなすべきかを考え、行動してほしいと思っています。時間は一人一人に平等に与えられたものであり、皆さんは自分の意志でこの時間をどのように使うかを考えることができます。皆さん一人一人が手にした時間を上手に使って、それぞれの「なりたい自分」に近づいていってほしいと願っています。編入学生と専攻科新入生の場合は手にした時間が本科新入生とは異なりますが、皆さんにとって大切な時間であることには変わりありません。それぞれの時間を上手に使って目標に近づいていってほしいと思います。
皆さんは、この東京高専で多くの先生や友人に出会い、新たな知識を身に付け、たくさんの人たちに出会い、貴重な経験をすることになります。これらの全てが皆さんを成長させることでしょう。そして、皆さんはいつか本校を卒業し、それぞれの進路を進むことになりますが、その時に本校で良い時間をすごすことができたと思えるよう、我々教職員は全力を挙げて皆さんを支援していきます。本校での時間が皆さんにとって価値あるものとなるよう願っています。
最後となりましたが、保護者の皆様、改めましてお子様のご入学おめでとうございます。東京高専は、皆様の大切なお子様をお預かりするに当たり、教職員一同、誠心誠意努めていく所存です。どうか皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上、入学式に当たり、私の思うところを述べさせていただきました。これで私の告示を終わります。
平成三十一年四月五日
東京工業高等専門学校
校長 新保 幸一